「ラオス」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

周辺のタイ・ベトナムや中国と比べて、あまり馴染みのない方も多いのではないでしょうか。

ラオスは、東南アジアの内陸に位置する、人口700万人・国土は本州と四国をあたわせたほどの、小さな国です。

ラオスは世界最貧国の一つであり、未だ人口の約60%が農業に従事し、ほぼ自給自足の生活をしています。

また、内陸で周囲を他国に囲まれるという環境によって、自国の文化や産業も育ちにくい状態にあります。

しかし、現在、ラオスでは、そのような状態を打破し、自国のカルチャーを構築する動きが少しずつ現れています。

その動きの一つが、映画。

映画は、ラオスの人々にとって大事な娯楽の一つです。しかし、1950年代のインドシナ戦争や内戦・革命の混乱を経て、映画が育まれる土壌は失われてきました。

現在、ラオスの映画館は全国に5カ所。タイで上映を終えたハリウッドやタイ作品、最近では漫画原作の日本作品などが上映されていますが、内戦から60年以上経った今でも、ラオスで作られた作品はほとんどありません。

しかし、2011年、海外留学から戻ったラオスの若者たちが自主映画を制作するようになりました。

「ラオス人による、ラオス人の為の映画を」というスローガンのもと、ボランティアでキャストやスタッフが制作にあたり、これまでになかった自国作品に、国民の映画に対する関心も高まっています。

彼らの活動により、ラオス映画文化が根付くか否か、今まさに勝負どころです。

そんなラオスの土地で、現在、初めての日本・ラオス合作映画である『サーイ・ナームライ〜流れゆく龍の村で〜〜』製作へ向けて奮闘している人々がいます。


映画製作のド素人だったプロデューサーが、情熱だけで走り出した理由

提供: 『サーイ・ナームライ』製作事務局

『サーイ・ナームライ』製作の発起人である森氏は、13年前、料理人として料理の勉強をかねて海外を旅する途中でラオスに入り、そのままラオスに移住しました。

そしてラオス初日本語フリーペーパーを創刊し、日本のテレビ番組や日本企業のラオス進出などのコーディネート、ガイドやイベント開催など、ラオスを熟知する強みを活かして、日本とラオスを繋ぐ様々な仕事をしています。

森氏が日本・ラオス合作映画プロジェクトを実行しようと思ったきっかけは、2012年、ラオスの国際映画祭「ヴィエンチャナーレ」です。

「ヴィエンチャナーレ」は、ラオスの若手監督たちが、自国の映画文化を築き、国際的に発信するためのイベントでした。

ラオスの人は一般的に大人しく、ゆるやかな生活を好み、一生懸命やるということは美徳とされていません。しかし、若い映画人たちは、徹夜することを厭わず、激しい議論を交わしていたそうです。

その姿に、森氏の心は動かされ、ラオス映画を作り、その映画を世界中に知って欲しい、と思うようになりました。

そして、2015年の日本ラオス国交60周年の節目として、両国合作で映画を製作し、両国で上映することで、ラオスの文化活動をしている多くの方々に、ラオスで作ったものも外国で認められるんだという励みになるような、ラオス人に夢を与えられる映画を製作したいと思い、2014年5月にこのプロジェクトを立ち上げました。


日本とラオスの新時代を築くプロジェクト

提供: 『サーイ・ナームライ』製作事務局

その後、森氏の実行力と、挑戦的なプロジェクトに賛同し、チームができました。

このプロジェクトでは、日本で活躍する映画人が、ラオスの制作者たちとともに、ラオス語によるラオスが舞台の映画を制作し、一流の現場で活躍する日本の映画人から高度な技術とプロの厳しさを実践で学ぶ場を作ります。

そして、この事業を通してラオスの映画界に新しい風を吹き込み、一方で、日本で初めてラオスを紹介する映画作品として、ラオスの魅力を多くの方に伝え、日本とラオスの新時代の友好関係を築いていく、という意義をチーム一同で掲げ、製作に挑みます。

チームの全員が、このプロジェクトにより、同じアジアの映画先進国日本が、その礎作りに貢献できることを信じています。


日本の一流映画人と自国映画を先導するラオス若手映画人のコラボレーション

提供: 『サーイ・ナームライ』製作事務局

『サーイ・ナームライ』は、様々な国籍のスタッフが入り混ざる国際色国籍豊かなチームです。

監督は、熊澤誓人日本映画大学准教授であり、 2011 年『天国からのエール』の監督を手がけた熊澤誓人氏、監督補は、ラオスの映画シーンを先導するAnysay KEOLA(アニサイ・ケオラ)氏です。

また、主人公は井上雄太氏(東宝芸能)、ヒロインにティダー・シッパサイ [Thida SITHPHAXAY](ラオス)と両国の俳優が出演しています。

提供: 『サーイ・ナームライ』製作事務局

その他のスタッフも、日本・ラオスを始め、タイやフランスなど、国境を超えた合作映画に相応しいさまざまな国籍のメンバーが、一つの作品製作へ向かって一丸となっています。

そして、構想から1年半後、日本・ラオス合作映画製作は、クランクインを迎えました。

日本・ラオス合作映画は、2016年春、ラオス・日本にて公開予定です。

日本・ラオス両国の映画人が力を合わせ、「ラオスの映画カルチャーに新たな風を吹き込み、日本・ラオスの新時代を築く」という目標のもと、完成・公開を目指しています。

提供: 『サーイ・ナームライ』製作事務局

『サーイ・ナームライ』は、政府機関や企業の支援により成り立っているプロジェクトですが、製作予算はまだまだ十分ではありません。

しかし製作予算は、十分ではありません。

そこで現在、クラウドファンディングプラットフォーム「Readyfor」にて、『サーイ・ナームライ』製作資金を募るクラウドファンディングに挑戦しています。資金を募るとともに、より多くの方々にこのプロジェクトを知って欲しいと思っています。

達成した際、ご支援して頂いた方に、映画チケットプレゼントや、完成披露試写会ご招待など、様々なリターンをご用意しております。

また、300万円は、撮影後の映画製作資金の一部として、編集費・音楽制作費、字幕・英語翻訳費などに使用致します。

あなたの支援が、達成への一歩となります!

映画産業の土壌がまだ育っていないラオスで、初めての日本ラオス合作映画製作にむけて、皆様もぜひ、この歴史的プロジェクトを応援下さい。
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