2015.10.29

■■ 防災ガール とは?■■
gooddo参加団体の防災ガールは、災害大国である日本において若者の防災・減災意識を高めるために、より若者の生活や思考に近づき、もっとオシャレでわかりやすく防災・減災に関する情報を発信するプロジェクト。現在は全国・海外にもいる防災意識高い20〜30代の女性を中心として行政と連携した防災のコミュニティマネジメントや、防災・訓練に関するプログラム開発を実施。「防災ガール」の応援はこちらから。

本記事は、その防災ガールで活動する長島あさこさんが、授乳中の息子を抱えている時に起こった、11年前の新潟県中越地震での被災経験を伝えてくれています。

リアルな避難所での生活、子どもの世話をする中で感じた、本当に必要な防災とは・・・?

提供:防災ガール

2004年10月23日新潟県中越地震で私は被災を経験しました――

先日で発災から11年が経ち、その後もたくさんの自然災害がわたしたちの日本にやってきては多くの尊い命が失われました。経験し、学んだはずなのに。

そして、やろうやろうとおもっているのに、防災をしない人もやはりまだいます。その人の気持ちもわかります。

だからこそ、少しでも私の経験を伝え、今すぐ防災対策をしたほうがいいという気持ちになってもらえたらと想います。


震災の月から山古志村に暮らしていました。

提供:防災ガール

10月から新潟県山古志村で暮らしていましたが、その日はたまたま新潟県内の実家にいました。

早めの夕食を済ませ、長男を抱っこし、テレビを見ていたら・・・突然家が縦に動きました。

一瞬何が起きたかわからなかった。 しかし、横揺れがおき、徐々に大きくなっていきました。

そこで、あっ!地震だ!とわかりました。 長男をかかえ、昔から習っていたようにすぐに机の下に避難。 棚から物が落ち、その後すぐ停電になりました。

ただ想定外だったのは、机の近くにあったポットも棚から落ちお湯がこぼれました。机の下だけがいいというわけではないことを体験をもって知りました。

父が懐中電灯を持ち、外へ様子を見に行きました。 しばらくするとまた揺れました。

家にいるのは危険と判断し、徒歩5分のところにある保育園に避難。 とりあえず貴重品、おむつを持って移動 しましたが、そこにはすでに近所の方がたくさん避難していました。

身の安全を確保してから、主人に電話をしてみたものの全く通じません。メールも送れない状態でした。


授乳するにも個室なんてない。子どものオムツかぶれは痛そうで切なかった。

提供:防災ガール

保育園は非常灯がついていて、とても明るかったです。

保育園から貸してもらった毛布と父が家から持ってきた毛布に包まりましたが、床には何も敷かれていない状況だったので、それはそれは痛いし、冷たかったです。

でも、そんなこと気にしてる場合ではありませんでした。

何度も余震が続く中、授乳する時間になりました。しかし、別室や個室はなく、毛布で隠しながら授乳をしました。 何時だったかは定かではありませんが、夜になったので、眠りにつきました。

夜中も余震が続きましたが、長男には夜中1.2回の授乳と普段と変わりありませんでした。 翌朝近所の人達が持ち寄りでご飯を炊き、おにぎりを作ってくださいました。

地元の新聞紙が届き、それを見てようやく被害の状況がわかりました。 またテレビも設置され、映像として情報を得ることができましたが、ここではまだまだ詳しいことまではわかりません。

そして、次第に余震も落ち着き、両親や近所の人達は家の片付けに行きました。 ライフラインのうち最初に復旧したのが電気、そして上下水道、ガスの順でした。 食事はしばらく物資で届くパン・おにぎりでしのいでいました。

お風呂は一週間後、自衛隊がつくってくれた仮設風呂に行きました。

それまでの間、大人はなんとか我慢できますが、赤ちゃんはオムツカブレをしていてとても痛そうで切なかったです。 ガスコンロでお湯を沸かし、タオルで身体を拭いたりしましたが、やはりお風呂が一番だと改めて実感しました。


被災するリスクは、事前の備えで防げる

提供:防災ガール

2日後には電話が使えるようになり、安否確認ができました。

山古志にいた主人は全村避難を強いられ、ヘリコプターで体育館へ搬送されたそうです。

後日、主人のいる避難所へ行きました。

山古志の人達を受け入れた体育館での食事は炊き出しが行われており、あたたかいお汁をいただきました。 ただ、いろいろな面で環境が良くなかったので、長男と実家の避難所へ戻りました。

電気がつき、上下水道が復旧すると避難していた方々は徐々に家に戻って行きました。

さすがに私たちも、仕切りも何もない空間で1週間ほど生活するのはとてもきつかったです。 仮設トイレも設置されましたが、周辺はとても臭かったです。 なにより、夜のトイレがとても暗くて怖かったのを覚えています。

災害の多い日本で暮らしているからには、自分たちがどういう状況になるか事前に知っておくだけでずいぶん違ったと思います。

「被災する」のは、災害が多いからではなく、防災対策をしていないから。日本よりもたくさんの災害に見舞われる国でも、防災対策をしているから「被災」することがあまりない。

それでも運悪く尊い命が失われる事もあるし、これで完璧というものはないけれど、事前に知識・対策・準備含め備える事で失わずにすむ命があるのだから、やっておくべきだとおもいます。

大切な人がいる人ならなおさら・・・。


■■ 防災ガール とは?■■
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この日本が防災であたりまえの国にするために、防災ガールは継続的に活動を続けています。活動の応援よろしくお願いします!!

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