「一生、注射を打ち続けることになります…」



もう1つの糖尿病「1型糖尿病」とは?


運動不足や食べ過ぎ、遺伝などが原因で大人が発症することが多い一般的に知られる糖尿病(正式名称:2型糖尿病)とは違い、「1型糖尿病」は原因不明である日突然発症します。
日本における15歳未満の子どもの年間発症率は10万人あたり、1人~2人。2型糖尿病に比べて特に小さな子どもが多く発症し、毎日数回の注射または機械(ポンプ)によるインスリン注入がないと、数日で死に至る病気です。


今、この瞬間も、ごく普通に生きている小さな子どもとその家族に、「一生治りません」という絶望の宣告がされています。
確かに注射をし続けることで、生きていくことはできます。しかし、食前の血糖測定やインスリン注射などのために学校の友達と一緒に「いただきます」ができなかったり、食事に合わせたインスリンの量の調整がうまく行かず、重症低血糖を起こしてしまって救急車で運ばれることがあったりと、普通の子どもらしい生活ができず、精神的にも肉体的にも負担が大きいことは事実です。

子ども達に、「大丈夫。治るよ。」と言ってあげたい


この1型糖尿病の子ども達を支援する活動をしているのが、私たち認定NPO法人日本IDDMネットワークです。日本IDDMネットワークの設立は、1995年9月。今から約23年前に溯ります。1995年1月、阪神・淡路大震災の際、被災地の患者はインスリンを入手できず大変な苦労がありました。こうした緊急時に、患者・家族が助け合うことを目指して設立されました。
しかし、どんなに助け合っても、「一生治らない」という事実は変わりません。活動を続けていく中で、この「不治の病」を「治る病気」にすることこそが、究極の解決策ということに辿り着きました。

子ども達に、「大丈夫。治るよ。」と言ってあげたい。そして、2025年には治る病気にしたい。
それが、私たちの夢です。

日本IDDMネットワークは、不治の病である1型糖尿病の根治に向けて活動しています。私たちは、この1型糖尿病を「治らない」から「治る」病気にし、患者と家族が希望を持って生きられる社会の実現を目指しています。

インスリン補充の副作用、「低血糖」
自覚症状がない「無自覚性低血糖」とは?


根治のための活動とは別に、現在この病気に苦しむ患者をサポートしていくことも、私たちの大切な役目です。
この1型糖尿病患者にかかせない、インスリン注射。
しかしながら、そのインスリン補充には「低血糖」という副作用がつきまといます。低血糖になると個人差はありますが、手が震えたり、冷や汗をかいたり、脚がふらついたり、目の焦点が合わなくなったりします。
上記のような自覚症状が出る人もいますが、中には自覚症状が現れない「無自覚性低血糖」を起こしてしまう人もいます。
この症状を起こしたとき、周りに誰もおらず、1人暮らしの自宅で亡くなる患者が残念ながら後を絶ちません。

写真 そのため1型糖尿病の患者は、1日に何回も指から血を出して血糖値を確認しています。
こうして毎日確認していても、なくならない低血糖による死…。夜、寝ている間に低血糖になることもあるのです。

恐ろしい低血糖状態を感知する手段として、既に海外では実用化されている「低血糖アラート犬」という存在があります。
「低血糖アラート犬」とは、人間の1000倍の嗅覚を持つといわれる犬の能力を活かして、患者の呼気から低血糖状態を感知できるよう、トレーニングされた犬です。

海外では、低血糖アラート犬の実用化が進んでおり、血糖値を測定器で確認するよりも早く低血糖を知らせ、患者の命を救った事例もありますが、 血糖値の変化を知らせてくれる、低血糖アラート犬の育成機関は日本になく、訓練方法すらも分からない状態でした。

「糖尿病患者の無自覚性低血糖」と「犬たちの殺処分」という
2つの社会問題が解決できる?!


そんなとき、殺処分ゼロへのチャレンジや災害救助犬やセラピー犬の育成などの活動を続けられるピースワンコ・ジャパンの大西純子さんに出会い、災害救助犬なども育成されている経験を活かして、 低血糖アラート犬の育成にご協力いただけることになりました。
日本全国では、2016年に年間10,424頭もの犬が殺処分されています。(※2016年度/調査元:環境省)
犬たちは全国の動物愛護センターなどに連れて行かれ、ガスによる窒息死で命を奪われています。
ピースワンコ・ジャパンは、2011年度に犬猫の殺処分数が全国ワーストを記録した広島県で、殺処分ゼロに向けた捨て犬などの保護、譲渡に取り組んでいます。
実は大西さんも、1型糖尿病による無自覚性低血糖で、一緒に働いていた同僚を亡くすという悲しい経験をしています。
その同僚は、大西さんに「低血糖アラート犬」の存在を教えてくれた人でした。

写真 彼女は、私の良き相談相手でした。ピースワンコの保護犬から低血糖アラート犬を育成することができれば、何よりの恩返しになるでしょう。
亡くなった彼女のため、そして、いまも低血糖の恐怖と闘いながら治療を続けている患者さん達のため、日本IDDMネットワークの皆さんと取り組むこのプロジェクトは、ぜひ成功させたいと思っています。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトリーダー大西純子

殺処分を逃れた犬たちを低血糖アラート犬へと養成し、低血糖に悩む患者のもとへ家族として迎えていくため、昨年クラウドファンディングを行いました。
多くの方にご賛同いただき、45日間で、305万8千円を集めることができました。



Readey forには、このような応援のメッセージも多数寄せられました。

『ひとりでも多くの無自覚低血糖で大変な思いをしている患者さん、一匹でも多くの悲しい運命を背負ったワンコたちが お互いの未来を信じ、前に進んでいくことができますように!!!私のできることはわずかですが、心よりエールを送ります!!!』

集まった支援金で専門家を招いて低血糖アラート犬の養成法を学び、患者の呼気サンプルを採集する為の機器を購入し、第一歩を踏み出すことができました。
しかし、低血糖アラート犬を育てていくためには、まだまだ長い道のりが待っています。

根治に向けた研究と、現在の患者を支えていく
「低血糖アラート犬」育成のために、サポート会員が必要です!


1型糖尿病の根治のためには、数多くの研究を行うことや、研究を継続することが非常に重要です。
2018年3月現在、約230名のサポート会員の方々に、“お金”と“気持ち”で応援いただいています。
子ども達に、せめて「いつか治るかもしれない」と言ってあげたい。
現在、病気を抱えながら生きる生活を、「低血糖アラート犬」とすごすことで、少しでも楽に、そして安全なものにしてあげたい。
その気持ちに共感して頂き、ともに夢を実現する“仲間”としてマンスリーサポーターになってください。





これまでの活動では、様々な方から応援頂いております




さらに、日本IDDMネットワークは、その運営組織及び事業活動が適正であること、また、情報公開を適切に行っていること等、一定の要件を満たすものとして、所轄庁(佐賀県)から認定NPO法人に認定されています。
※認定NPO法人である日本IDDMネットワークへのご寄付は、税制優遇の対象となります。

1日33円の寄付で、「1型糖尿病」の子どもたちに
希望を与えてください。


サポート会員の方には、ニュースレターで活動内容の報告をさせて頂きます。
また、サポート会員へのお申込を検討されている方から、よくいただくご質問を紹介します。





追伸:りあんちゃんからのメッセージ



写真 私は、低血糖になって大変だったことが1つあります。それは自分がきつくなるまで、低血糖に気付かなかったことです。 自分がきつくなった時には、血糖が50台になっていたことがあります。低血糖に気付かず、たおれるかもしれないからです。 そうならないために、今訓練している「低血糖アラート犬」は、低血糖を教えてくれる犬としても普通のペットとしても飼えるからすごいです! どの種類の犬か分からないからドキドキしてます。それに犬がいると、低血糖でもそれをのりこえられると思うし、心がすごくいやされます。 だから早く低血糖アラート犬が来てほしいです!
(佃りあん)


1型糖尿病になり毎日自分で注射をしながら、1型糖尿病と闘っている子ども達は、 低血糖アラート犬の育成、そして血糖値を気にすることなく生活できる日がくることを心待ちにしています。
皆さんの継続的な応援を、どうぞ宜しくお願い致します。



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