日本人が忘れられない日、3月11日。今年も、3月が終わりました。
死者19,575人、行方不明者は2,577人。
東日本大震災から丸7年が経ちます。
しかし被災した町では、
長引く「仮設住宅での生活」や震災に起因した
「経済的な苦境」など、いまだ様々な課題を抱えています。
経済的に厳しい家庭が増えることで、そのしわ寄せは子どもの教育環境へ。
経済的な理由で、
進学をあきらめる生徒も出てきてしまっているのです。
その他にも、狭い仮設住宅では集中して勉強できないなど、子どもたちは今も様々な困難に直面しています。
そんな中、ある放課後の学びの場との出会いをきっかけに、震災の悲しみを乗り越え、
やりたいことを見つけた生徒がいます。
現在、東京で大学に通う桜子さんです。
7年前のあの日。
さっきまでいた場所が消えていた…。

2011年3月11日。
桜子さんは、岩手県大槌町に暮らす、中学1年生でした。
「震災の日は、卒業式の前日でした。」
学校で卒業式の準備を終え、昼前には帰宅し、午後から友達の家に遊びに行ったそう。
友達の家でテレビゲームをやっていたら、突然テレビの画面が消え、その後大きな揺れがきました。
慌てて、友達と高台のほうへ避難し下を見ると、
さっきまでいた場所が、既に津波で流されていたのです。
幸い、家族は全員無事でした。
しかし家は流されてしまい、震災後4か月間避難所で暮らしたのち、2011年7月末に、一家で仮設住宅へ移りました。
当時桜子さんの一家は、
7人という大家族でしたが、仮設住宅の部屋は3つ。
狭いので、様々なものが積みあがっていたり、家族が見るテレビの音も気になり、集中して勉強できる環境ではなかったそう。
「お正月に帰省して家族7人が揃うと、人数分の布団は敷けないため、私は母と妹の間で、背中をつけずに横向きで寝たりしていました」
桜子さんが出会った「コラボ・スクール」
通い始めたら、成績が学年で2位になった!
震災のあと大槌には、
「大槌臨学舎」という、NPO法人が運営する、放課後学校「コラボ・スクール」ができていました。
学3年生になる春。
震災から1年後、桜子さんが中
「友達も通うし、テスト前だけでも通ってみようかな」
という軽い気持ちで、通い始めたそう。
「それが、通い始めてみたら授業がとても面白くて。教え方もユニークで全然眠くならないし(笑)」

所属していた吹奏楽部で、顧問の先生に「赤点を取ったら大会に出られないよ!」と言われていたため、テスト前にコラボ・スクールで頑張って勉強をした結果、
桜子さんが学年で2位という好成績を取るようになったのです。
勉強だけではなく、部活の悩みを聞いてもらったのも、コラボ・スクールのスタッフでした。
吹奏楽部で部長をしていた桜子さんには、「みんなをまとめなければ」というプレッシャーで苦しい時期もあったそう。
「部活内の人間関係に悩んだ時期がありました。そんなとき、コラボのスタッフの方に『大丈夫か?』と声をかけてもらって、話を聞いてもらいながら泣いてしまったこともあります。」

コラボ・スクールは、勉強をするだけの場所ではなかった、桜子さんはそう話します。
「学校とは別に、相談できる場所があるというのが、とてもありがたかった。
あのときしっかり話を聞いてもらったから、今の私があると思います。」
「勉強するだけの場所ではなく、やりたいことが見つかる場所。『こんな大人になりたい』という憧れの人にも出会える場所です!」
現在桜子さんは、東京で昼間は大学事務の仕事をしながら、大学の夜間部で観光や街づくりについて学んでいるそう。
将来は、観光に関する仕事をしたいという夢に向かって、日々チャレンジを続けています。
被災地で懸念される、「子どもたちの学習環境」
震災から7年経った今、目に見える復興は着実に進んでいます。
しかし被災者は震災をきっかけに、失業、転職を余儀なくされることも多く、経済的に厳しい家庭が増加しています。
その結果、経済的な理由で、
進学をあきらめる生徒も出てきてしまっています。
また7年経つ今でも仮設住宅で暮らす子どもたちは、狭い家の中で勉強に集中できずにいます。
桜子さんが通った、
『コラボ・スクール』が始まる前は、仮設住宅の外で勉強している子どもの姿もあったそう。
コラボ・スクールを運営する、「カタリバ」とは?
「″震災があったから、夢を諦めた”という悔しさを、子どもたちに味合わせたくない」
この想いのもと、コラボ・スクールは
認定NPO法人カタリバにより運営されています。
カタリバは、生まれ育った環境に関わらず、子どもたちが今後の社会で生き抜く力を身に付けていくことを目指し、 被災地支援のコラボ・スクールだけではなく、
これまで全国約22万人の生徒に、様々なプログラムを届けている教育系のNPO団体です。
被災した子どものための「放課後の学校」
このコンセプトで生まれた『コラボ・スクール』は、満足な学習環境が確保できない子どもたちが集まる勉強スペースとなっています。
「勉強が遅れているのが不安」
「ちゃぶ台が勉強机。食事のたびに片付けないといけない。」
「テレビを見ている家族の横で受験勉強するのは正直集中できない。 でも”消して”とは言えない。」
そのような子どもたちのために、安心して学べる場を提供しています。
また担う役割は、学習支援だけではありません。
復興工事のため屋外は重機が行き交い、子どもたちはバスで登下校しています。
そのため、放課後に友達と自由に集える手段や場所も失われました。
変化する環境の中で、コラボ・スクールは友達と安心して過ごせる居場所にもなっているのです。
またスタッフとの対話を通して、震災で傷ついた心のケアも行なっています。
現在、
『コラボ・スクール』は宮城県女川町、岩手県大槌町、熊本県益城町、福島県広野町の4か所で運営されています。
学ぶ場の不足や子どもたちの心のケアという被災地での課題は、まだ解決できていないため、
コラボ・スクールは
最短でも2021年3月度まで運営していくことを目指しています。
震災のあった
2011年に、小学校に入学した子どもたちが、高校に入学するまで見守っていくためです。
コラボ・スクールの運営にかかる費用は、1校あたり年間約8,000万円。
継続して子どもたちを支えるためには、人件費や教材・備品費、交通費、水道光熱費等がどうしても必要となってきます。
1日33円からできる、カタリバのサポーターとは?
カタリバは、支援してくださる多くのサポーターの人々の力で成り立っている団体です。
カタリバを利用している子ども達は、困難な状況でも夢を諦めずに進むことを選んでいます。
そんな子どもたちに、私たちにもできることがあります。
カタリバでは、被災や貧困によって将来を諦めている、勉強の機会を逃している子どもたちへの支援を募集しています。
少しの力がたくさん集まれば、子どもたちが授業を受けられたり、勉強に必要な辞書や教科書などを購入することができるのです。
金額は
毎月1,000円から。1日に換算すると、その金額は33円。
私たちの小さな心遣いで、子どもたちに勉強の場を提供することができます。
具体的には、このような形で子どもたちへの支援に変わります。

私たちが継続的に支援をしていくことで、子どもたちが安心して勉強でき、自分の希望の進路、職業に就く社会を作っていけるのです。
とはいえ正直、
「寄付しても、何に使われているかの実感が持てない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「サポーター会員」になると、まず、「子ども達の作文」や、活動の詳細・寄付がどのように使われているのかが記載された年次報告書等の入会キットが、
さらに、定期的に、現地の人々やプロジェクトの様子がわかる情報が送られてきます。
また、カタリバは東京都から認定された
「認定NPO法人」です。
「認定NPO法人」への寄付は、
税額控除の対象となり、約40%が所得税額より控除されます。
※またお住まいの地域によっては、さらに住民税に対する控除対象となる場合もあります。
参加者の声をご紹介
震災や貧困のせいで、夢を諦めてほしくない、学びたいと思っている子どもには思いっきり勉強してほしい。
そんな思いで活動しているカタリバを、
既に1万人を超える支援者の方々が応援しています。
※年代は、お話をお伺いした当時のものです。
子どもたちが明るい未来を目指せるために、
私たちにできることとは?

東北大震災から7年が経とうとしている今、被災地の課題は普段の生活からは見えにくくなっているかもしれません。
しかし現在も、多くの子どもたちが被災地で生活しています。
そして、興味があることやなりたい職業があっても、諦めなければいけない状況に置かれている子どももいるのです。
同じ日本で生活しているにもかかわらず、想像もできない現実が、私たちの身近にあるのです。
生まれた場所によって、負の連鎖に巻き込まれてしまう…。
こんな悲しい現実から子ども達を救いたい、そんな思いで 私は定期的な支援をすることに決めました。
1日33円の寄付で、子ども達の人生が大きく変わっていきます!
未来を支える大きな可能性と夢を秘めた子ども達のサポートを、あなたも始めてみませんか?
>>サポーター会員になる<<
情報提供:認定NPO法人カタリバ