ミャンマー(ビルマ)難民の子どもたちに贈る絵本を選んでください
激動するミャンマー(ビルマ)難民キャンプの子どもたちは、今、生きる力を身につけるために本を必要としています。あなたが本から学んだことを教えてください。
12年前、タイとミャンマーの国境沿い、タイ側にある難民キャンプ。12歳の少女、ノー ジュライ ポーさんは、シャンティ国際ボランティア会が運営する図書館に行くのが大好きでした。図書館は、キャンプでの過酷な暮らしを少しの時間だけでも忘れるための安心できる場所であり、そこで読む本は、キャンプの外の世界への想像を喚起し、そして未来の指針となりました。
2016年、24歳になったポーさんは、夢だった小学校の先生になり、3年生と4年生に英語と保健を教えています。いつも絵本を使って。ポーさんのように夢をつかむ子どもが一人でも増えるように、本の力を贈ってください。
絵本を使って授業をするポー先生。子どもたちは、多くの色を使った生き生きとした本を好み、その内容を決して忘れないそうです。
「書物そのものは、君に幸福をもたらすわけではない。ただ書物は、君が君自身の中へ帰るのを助けてくれる」。ドイツの作家、ヘルマン・ヘッセの言葉です。
今のあなたを形づくった本はありますか。それは、一冊かもしれませんし、何冊もあるかもしれません。あなたがそうと意識していないものもあるでしょう。キャリアの指針になった本もあれば、人間関係の指針になったものもあるでしょう。
これまでに開いた本が今のあなたの一部を形づくってきたように、今、子どもたちが開く本は、子どもたちの未来を形づくります。
シャンティ国際ボランティア会では、今年、日本語の絵本を現地の言葉に翻訳して、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ内で運営する21の図書館を利用する子どもたちに贈ることを計画しています。どうか、プレゼントする絵本のタイトルを私たちと一緒に選んでください。
ポー先生が育ったのと同じメラ難民キャンプに暮らす12歳の少女、ノー クー セイさん。図書館員さんの読み聞かせと「おひさまいろのきもの 」が好きなセイさんの将来の夢は、医師になって大好きな両親と叔母と一緒に暮らすこと。
彼女は、12年前のポーさんです。12年後の彼女のために、今必要なのは、本。
私たちシャンティ国際ボランティア会が、なぜ難民キャンプで命には直結しない図書館を運営するのか。それは、12年前、ポーさんが自身の未来を図書館で見つけたように、セイさんや子どもたちが、自身の未来を見つけ、生きる力を身につけるのを手伝うためです。
ミャンマーで進む民主化が、難民キャンプで暮らす少数民族に何をもたらすのか。ミャンマーへの帰還、欧米など第三国での定住、難民キャンプで暮らし続けることなど、多くの選択肢があるだけでなく、ミャンマーで生まれた親世代とそうでない子世代のギャップがあります。
私たちは、子どもたちがどのような未来を望んでも、それを実現するための生きる力を身につけることを願っています。そのために、図書館を運営し、本を届け、多くの子どもたちの人生が変わるのを見てきました。
難民キャンプの子どもたちが「本の力を生きる力に」変えていくために、お願いがあります。
どうか、文字を学び始めたばかりのお子さんたちが「生きる力」を身につけるために助けになるとあなたが思う絵本のタイトルを教えてください。
それは、12年前に図書館で未来を見つけたポー先生のような未来を、今、子どもたちが見つけるためのチャンスになります。
シャンティ国際ボランティア会が運営する図書館で絵本を読むノー クー セイさん。たくさんの友達に会える図書館が大好きだそうです。
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絵本をオススメする (無料)
現在の参加人数
5,000人を目標にしています。
難民の子どもたちが「生きる力」を身につけるために助けになるとあなたが思う絵本のタイトルを教えてください。
「難民キャンプの図書館に贈る絵本を選ぼう」キャンペーンとは?
2016年、シャンティ国際ボランティア会では、新たに3冊の絵本をタイのミャンマー(ビルマ)難民キャンプにある21の図書館に贈ることを計画しています。この3冊のタイトルをみなさんと一緒に選びたいと思います。
[参加方法]
上のフォームからご参加ください。
・絵本のタイトル : 一冊を考えてください。
・オススメする理由 : その本がなぜ難民キャンプの子どもたちに有益だと思うか、今のあなたにどのように影響を与えたかなど、ご自由にご記入ください。
[選考方法]
選考は3回行います。選考にあたっては、オススメの数だけでなく、その理由を重視して検討させていただきます。
・1冊目の選考 : 専門家の方が選びます。
・2冊目の選考 : シャンティ国際ボランティア会のミャンマー(ビルマ)難民事業担当職員が、図書館に贈る1冊を選びます。
・3冊目の選考 : ノー ジュライ ポー先生が、図書館に贈る1冊を選びます。
[スケジュール]
2016年7月 募集スタート
2016年9月 1冊目の絵本選定
2016年11月 2冊目の絵本選定
2016年12月 募集終了
2017年1月 3冊目の絵本選定
2017年3月 絵本贈呈、ポー先生による読み聞かせ
タイのミャンマー(ビルマ)難民キャンプでの図書館活動について
【タイのミャンマー(ビルマ)難民キャンプ】
1984年以降、軍事政権支配下のミャンマー(ビルマ)で迫害を受けたカレン族などの少数民族は、隣国のタイに逃れ、国境沿いに9つの難民キャンプがつくられました。
今も約11万人が生活しているキャンプには、祖国を知らない世代が増えています。
【難民キャンプでのシャンティの図書館活動】
難民キャンプ内で21の図書館を運営しています。図書館では、本の貸し出しだけでなく、絵本の読み聞かせ、お絵かき、人形劇なども行っています。
祖国を知らない子どもたちのために、カレン語とビルマ語の2言語で絵本を出版しています。
シャンティ国際ボランティア会について
小学校の教員の56%が高校を卒業していないカンボジア、小学校の退学率が3割を超えるラオス、15歳以上の約80%が読み書きをできないアフガニスタン。アジアには、必要な教育を受けられずにいる子どもたちが今も多くいます。
シャンティ国際ボランティア会は、学校建設と図書館の建設・運営を通じて、アジアの子どもたちに安心して学ぶ機会を提供し、生きる力をつけるためのお手伝いをしています。
・設立:1981年
・会長:若林恭英
・活動実施国:タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、アフガニスタン、ミャンマー、ネパール、日本(岩手県・宮城県・福島県の東日本大震災被災地)
・主な実績
i) 図書館事業:年間約67万人に読書の機会を提供
ii) 学校建設事業:300棟以上の学校を建設
iii) 絵本を届ける活動:60万冊以上の絵本を贈呈
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難民キャンプ内にある図書館での読み聞かせの様子です。この日の絵本は「おおきなかぶ(福音館書店)」 。孫役、犬役、猫役になりきって、かぶを引っ張っています。